

「ここに家を建てる前、私はもっと田舎の、緑のいっぱいあるところに建てたいと思っていました。でも子育てのことや、あまり遠くに行くと妻の両親が寂しいということもあって、家の前に緑の森があるこの場所に建てることに決めました」。
陶芸家のご主人は、当時を振り返ります。
「シンプルな空間で自然素材で建てたい、というのはありました。でも、こうしたいということを、建てる側の人がどこまでわかってくれるのかなということが不安でした。タカコウハウスの高橋社長に会った時、この人なら若いし感覚も合いそうだという感触がありました。それで、お願いすることにしたんです」

「家の窓から人の家の壁が見えるというのが、どうも私は苦手で・・。それでタカコウさんに"外と中の関係を考えて、森の緑を生かす間取りにして下さい"とお願いしました。
その結果、タカコウさんから出てきたのが2階リビングです。本来は南側に設けることの多い開口部を東に持ってきて、なおかつ窓を全開できるようにしました。そうして南側には隣の家が見えない位置に、明かり取りの窓をつけてくれたのです。
その結果、とても明るく開放的なリビングが誕生しました。このあたりは東から風が吹くので、風通しもとてもいいですよ」

「家族全員、一日中ここで過ごすことが多いですね。2階だから人目も気にならないし、外との一体感もありますし。"木の家は呼吸しているので、それなりにメンテナンスしていかなければいけないという大変さがありますよ"と、前もってタカコウさんから言われていたのですが、別段大変だとは思わないです。お風呂の壁も、当然木でしょ、って感じで檜を張ってもらいましたが、サッと拭いて窓をあけておけば大丈夫ですよ。
それよりも展覧会などで東京に行き、帰ってきた時に木の匂いがふわっとするんですよ。空気もとても爽やかですしね。この快適さのためには、少々の手間くらいどうってことないです。また実際、そんなに大変じゃないです。自分たちにわからないことは、連絡すればすぐに来てくれますし。まあ、そのあたりは価値観の問題でしょうか」

「家の離れのような感じで、工房とギャラリーもつくってもらいました。いずれはギャラリーをもう少し広げて、見てもらいやすくする予定です。
器づくりでもそうなんですが、口では説明しきれない微妙な部分というのがあって、そこをうまく伝えてこちらの希望をかなえてもらうというやりとりに、一番神経を遣いました。
どこまで言っていいのかいつも悩んで、でも言わずに後悔するのもいやだしという葛藤がありました。そんな時、現場監督の塩谷さんが"人に頼んでやってもらうのって大変だと思いますが、私たちも精一杯やりますので何でも言って下さい"と言ってくれたので助かりましたね。そして、ここ一番という時に、的を得た提案をしてくれました。
ものづくりって、そこを外すといままでやってきたことが台無し、という部分があるでしょう?そのあたりは、どちらのこだわりが強いかという勝負ですよね。その点タカコウのみなさんは、社長、現場監督、大工さんに至るまで、本物のプロだと思います」

「カラーコーディネートは、美術教師の妻の担当。タカコウさんは、契約したら後はお任せというのとは全然違い、建てながら窓の位置をどうしますか、建具はどんな風にしましょうかと聞いてくれるので、楽しかったです。とても気に入って、随所に使っているのが障子。障子ってものすごい発明ですよね。光を通しながら目線は遮る、保温性があって暖かい。日本人の知恵に改めて思い至りました。
今回タカコウさんと一緒に家づくりをしてみて、全部手づくりで、これだけ施主の願いをかなえるために模索してくれる工務店は、他にないんじゃないかなと思いました。
木の家にしても、それが世間に受けるから建てるのではなくて、木の家を建てる以上はここまでやらなきゃいけないという高いハードルを自分たちに課して、覚悟を決めてやっておられる。やはりひと言で言って、プロなんだということに尽きるでしょうね」。